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横浜市の救命講習を受講しました [nice!チョボラ・復活編]


12月3日(土)に横浜市民防災センターで救命講習を受講しました。
Lukeは地元のコミュニティ施設で事務アルバイトもしているので、
今回業務命令として参加しましたが、私個人にとっても非常に有意義な
「お仕事」となりました。

Lukeは学生時代にYMCAのキャンプリーダーをやっていたことがあり、
一般的な救命法については学んでいましたが、今回のような本格的訓練は
初めての体験でした。

一番良かったのは、AED(体外式自動除細動器)の操作実習ができたことです。
そして、模擬人体を使ったCPR(心肺蘇生:人工呼吸と心臓マッサージ)との
組み合わせによる実践的な訓練も行いました。

訓練は約1時間の講義と2時間の実習という配分でした。
実習は、自分が救急患者発生の現場に居合わせた者(バイスタンダー)として
どう行動するか、すなわち、CPA(心肺停止)状態かどうかの状態確認、
救急車の出動要請(119番通報すること)、AEDの設置がある場所にいたという
前提でのAEDの手配要請などという、周囲に協力者がいたという仮定の下で
進められました。

Lukeにとっては、父が自宅で急死した体験がまだ生々しいこの時期に
こういった講習を受けられたことは非常に感慨深く、
またその当時の記憶を思い起こしながらの、ある意味、
痛みの追体験を伴った、心に刻みつけられたものとなりました。

実際のAEDを使った訓練の様子を写真に撮りましたので、
説明を入れながらレポートします。


1.AEDの使い方

AEDの操作の場面1

この日使ったAEDは、最近公共施設などに設置可能となった
操作が簡便で軽量の普及型AEDとほとんど同じ仕様の訓練用の機械です。
スイッチを入れると、音声メッセージにより指示が自動的に流れるように
なっています。
ですので、この日初めて見て、初めて使ったのですが、
メッセージに従って操作すれば、ほぼ手順通り行動できました。

写真は患者の体のどの部分に電極となるパッドを装着するか
説明を受けてから、実際に装着してみたところです。
パッドにも患者のどの部分に装着すればよいか、
わかりやすく図示してあるので、相当あわてていても、
なんとか装着できると感じました。

2.AEDが到着するまで

AEDの操作の場面2

この写真は、CPRを行っていて、そこへAEDが到着したところで、
次の行動に移る訓練のようすです。

この写真に写っている方は、それまで模擬人体にCPRを行っていました。
そこへAEDが到着し、講師の指示で協力者が電源を入れると、
音声メッセージが「パッドを装着して下さい。」という指示を出したので、
パッドにつながる電気コードをAEDに接続しているところです。

パッドは、協力者がAEDのケースから取り出して、
すでに患者の体に装着されています。

1チーム4名、それも講習会場で初めて会ったメンバー同士でしたが、
皆初めてにしては非常に連携がうまくできていたと感じました。

3.実際の現場の想定でCPR→AED→CPRという流れの訓練

CPRの開始

上記の手順でチーム4名全員が交代でAEDとCPRの両方を体験しました。
写真は、また最初に戻って患者の状態確認を行い、CPAであると判断し、
まず気道確保と人工呼吸をするという場面です。

AEDはケースに入っていて側に置いてありますが、まだ届いていない、
という状況の想定です。

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LukeはAED操作の役割で始め、3番目にCPRの役が回ってきました。
それまでは、CPRは2セット行ったところでAED到着、という流れでしたが、
Lukeの番になったら、講師が2セット終わっても「AEDが到着しました!」
と声をかけません。

「AEDはすぐに到着するとは限りません。CPRを止めたら目の前の患者さんを見殺しにすることになるんです。がんばって続けて!」と、
容赦ない講師の声が飛びます。

結局チームの3番目4番目の人は、いつAEDが到着するか分からない、という
実践さながらの緊張感ある訓練を受けることになりました。

それまで、2セット終わったらAED装着、という余裕の雰囲気が受講生に
あったのですが、それがもろくも崩れ、いつ果てるとも知れないCPRを
4セット5セットと続ける内に救助者の方が息も絶え絶えになるという
「いのち」の重さをまさに「体感」したわけです。

そしてLukeが一番難しいと感じたのは、CPRやAEDを行っている時に、
つねにその効果が現れているかどうか、患者さんの状態を確認しながら
続ける、ということでした。

例えば人工呼吸を「行う」ことに夢中になってしまい、
肺に空気が確実に入ったのか、患者さんの体を見る余裕が全くなかったのです。

模擬人体にはモニターがついていたので、肺に空気が入ったか、
心臓マッサージの強さや胸を押す場所は適当か、などといった指示が出るのですが、
実際の生身の患者さんにはそんなものはついていないのです。

常に患者さんの状態を確認しながら、しかも冷静に救急隊が到着するまで
救急法を行いつづける―非常に難しいことですが、大事なことを学びました。

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救急講習は皆さんのお住まいの地域でも様々な機会に消防や自治体主催で
行われていると思います。

通りがかりの見ず知らずの人を助ける機会はそうないかも知れませんが、
もしご家族が家庭でそうなったら、と考えれば、
決して無駄にはならないはずです。

講習費用は横浜市の場合は住民、在学在勤であれば無料だそうです。
皆さんのところでも同様だろうと思います。ぜひ参加してみて下さい。

「一度でも体験すればいざというときなにがしかの行動はできる。」
この日学んだ、Lukeの一番の収穫はこのことでした。

ちなみに、今回のLukeの成績です。これをどうみるか・・・まだ何度か受講する必要がありそうです。

LukeのCPRシミュレーションの成績

【参考URL】

●横浜市消防局 http://www.city.yokohama.jp/me/ycfb/index.html
●財団法人 横浜市防災指導協会 http://www.city.yokohama.jp/me/bsk/index.html

【12/10追記】
AED関連記事を見つけましたので、追記します。
★心停止から10分以上経過してもAED適用で救命率は向上、イタリアの研究★
(日経MedWave「看護・介護スペシャル」より)
http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/a005/417035


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コメント 2

乾物屋

しっかりしたシナリオにびっくりしました。講師のかたの考え方の現場に即しているし、参加者自身がいろいろ考えられるようになっていて、最後にその評価を見せてくれています。客観性があるので、次回の励みになるし、仲間同士、見せ合えば、自然と問題点がわかり、チームの結束も深まりますね。とっさの時は知らない人同士の協力がないと救命できません。

Lukeさんのリポートを読むだけで、自分は再講習を受けた気分になりました。横浜市の取り組みは、機材の充実(あの人形はかなり高額)だけでなく、そのソフト面の工夫にも素晴らしさが光りましたね。今後の普及活動に期待しております。
by 乾物屋 (2005-12-07 17:08) 

luke

乾物屋さん、コメントありがとうございました。
参加前は3時間の講習と聞いて、こんなに長い時間座学ばかりでは厳しいなあ、などと勝手に想像していたのですが、予想以上の内容に驚き、また感動した次第です。施設の事務員の任期はあと1年ほどで切れてしまうのですが、その後でも一市民として、またぜひ再講習を受けようと思います。
119番通報から現場に救急車が到着する横浜市の平均時間は6分だそうです。CPA状態となった患者さんは5分でほぼ蘇生不能になってしまう、というデータを講習で教えられました。その間に、私たちができること・・・。
このレポートが多くの皆さまのお役に立ちますように。
by luke (2005-12-09 02:06) 

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